品質マニュアルの簡単な説明
品質マニュアルは、表紙、品質方針、マニュアル配布表,改訂履歴,目次,0 目的1 適用範囲2 引用規格3 用語及び定義4 組織の状況5 リーダーシップ6 計画 7 支援 8 運用 9 パフォーマンス評価 10 改善 品質保証体系図 の構成で作成して、A4版で全94ページのマニュアルになっています。ュアルです。一部ですが下記のサンプルを見て頂ければと思います。
(1)表紙には,①文書番号,②文書名,③版番号,④発行日,⑤発行元,⑥作成者,⑦承認者を記載します。詳しくは下位文書の”文書管理規定”に書きます。
(2)品質方針を最初に掲げます。自社のISO13485のマネジメントシステムの方針について最高責任者の意図を品質方針という形で公開します。品質方針について、要求事項は次のように規定しています。
5.3 品質方針
トップマネジメントは,品質方針について次を確実にする。
a) 組織の目的に適用できる。
b) 品質マネジメントシステムの要求事項への適合及び品質マネジメントシステムの有効性の維持に対するコミットメントを含む。
c) 品質目標の設定及びレビューのための枠組みを与える。
d) 組織全体に伝達され,理解される。
e) 適切性の維持のためにレビューする。
(3)マニュアル配布表
どの部署に、マニュアルの第何版を配布しているかを管理する表です。
(4)改訂履歴
品質マニュアルは、初版発行から内部監査、審査機関等の審査の機会により、マニュアルの
文言、文章等を訂正しなければならなく、そしてその都度マニュアルを改訂発行しなければ
なりません。
例えば、文書の改訂
①文書の改訂にあたっては,定める初版制定時と同じ者が作成,承認を行う。
②文書の作成者は,変更の性質を文書ごとの改訂履歴に明確にする。
③旧版文書の原本は,表紙に「旧版」の印を押し旧版であることを明示して「旧版
ファイル」に閉じる。品質保証部は,保管年数が経過したのち廃棄する。
④手書きによる修正は行わない。
⑤改訂における文書の差し替えは,改訂文書毎または改訂ページ毎とする。
ISO13485の取得に取り掛かり、審査機関の審査を受けるまでは、品質マニュアルは
何回も改訂され,良い品質マニュアルが出来上がるものです。そしてこの改訂履歴に
記載される内容も多いので、改訂内容の幅は広くとっておく必要があります。
(5)目次
品質マニュアルの目次は、①業務の流れに沿って作成していく方法と②ISO13485要求事項に
従い作成していく方法があります。業務に従い,品質マニュアルを作成していくには、よほど
ISO13485要求事項を理解していないとなかなか作成ができません。これに対して
ISO13485要求事項に従い作成していくのは、要求事項の漏れのない品質マニュアル
を作成するには良い方法です。また内部監査や外部の審査機関の審査においても、
ISO13485要求事項の順序に従い行われる(本来は関係個所をまとめて審査が行われますが)
ので要求事項の順序に作成するのが有効性があります。
よって品質マニュアルの目次は、ISO13485要求事項の構成になっています。
品質マニュアルの構成(目次)
目次
品質方針 2
マニュアル配布表 3
改訂履歴 4
0 目的 8
1 適用範囲 9
2 引用規格 10
3 用語及び定義 11
4 品質マネジメントシステム 13
4.1 一般要求事項 13
4.1.1 13
4.1.2 13
4.1.3 13
4.1.4 13
4.1.5 14
4.1.6 14
4.2 文書化に関する要求事項 14
4.2.1 一般 14
4.4.2 品質マニュアル 14
4.2.3 医療機器ファイル 15
4.2.4文書管理 15
4.2.5 記録の管理 16
5 経営者の責任 26
5.1 経営者のコミットメント 26
5.2 顧客重視 26
5.3 品質方針 26
5.4 計 画 27
5.4.1 品質目標 27
5.4.2 品質マネジメントシステムの計画 27
5.5責任,権限およびコミュニケーション 27
5.5.1 責任及び権限 27
5.5.2 管理責任者 27
5.5.3 内部コミュニケーション 27
5.6 マネジメントレビュ- 35
5.6.1 一 般 35
5.6.2 マネジメントレビュ-ヘのインプット 35
5.6.3 マネジメントレビュ-からのアウトプット 35
6 資源の運用管理 36
6.1 資源の提供 36
6.2 人的資源 36
6.3 インフラストラクチャ 36
6.4 作業環境及び汚染管理 37
6.4.1作業環境 37
6.4.2汚染管理 37
7 製品実現 38
7.1 製品実現の計画 38
7.2 顧客関連のプロセス 38
7.2.1 製品に関連する要求事項の明確化 38
7.2.2 製品に関連する要求事項のレビュー 39
7.2.3 コミュニケーション 39
7.3 設計・開発 40
7.3.1 一般 40
7.3.2 設計・開発の計画 40
7.3.3 設計・開発へのインプット 40
7.3.4 設計・開発からのアウトプット 40
7.3.5 設計・開発のレビュー 41
7.3.6 設計・開発の検証 41
7.3.7 設計・開発のバリデーション 41
7.3.8 設計・開発の移管 42
7.3.9 設計・開発の変更管理 42
7.3.10 設計・開発ファイル 42
7.4 購買 42
7.4.1 購買プロセス 42
7.4.2 購買情報 43
7.4.3 購買製品の検証 43
7.5 製造及びサービス提供 43
7.5.1 製造及びサービス提供の管理 43
7.5.2 製品の清浄性 44
7.5.3 据付け活動 44
7.5.4 付帯サービス活動 44
7.5.5 滅菌医療機器に対する特別要求事項 45
7.5.6 製造及びサービス提供に関するプロセスのバリデーション 45
7.5.7滅菌及び無菌バリアシステムのプロセスのバリデーションに対する特別要求事項 45
7.5.8 識別 46
7.5.9 トレーサビリティ 46
7.5.10 顧客の所有物 46
7.5.11製品の保存 46
7.6 監視機器及び測定機器の管理 47
8 測定,分析及び改善 48
8.1 一般 48
8.2 監視及び測定 48
8.2.1フィードバック 48
8.2.2 苦情処理 48
8.2.3 規制当局への報告 49
8.2.4 内部監査 49
8.2.5 プロセスの監視及び測定 49
8.2.6 製品の監視及び測定 49
8.3 不適合製品の管理 50
8.3.1一般 50
8.3.2 引渡し前に発見された不適合製品における処置 50
8.3.3 引渡し後に発見された不適合製品における処置 50
8.3.4 手直し 50
8.4 データの分析 51
8.5 改善 51
8.5.1 一般 51
8.5.2 是正処置 51
8.5.3 予防処置 52
品質マネジメントシステム体系図 53
(6)0 目的
品質マニュアルの目的について記載します。 例えば
この品質マニュアルは,〇〇〇〇株式会社が,医療機器の設計・開発,製造 保管及び流通,振付け,附帯サービス及び最終的な廃止及び医療機器の処分,及び関連する活動(例:技術支援)の設計・開発及び提供を含む医療機器のライフサイクルの一つの又は複数の段階に関係する当社が使うことができる品質マネジメントシステムの要求事項を規定する。
品質マニュアルの適用範囲についてISO13485の適用範囲を参考にします
ISO13485要求事項の内容
1 適用範囲
この規格は,組織が顧客要求事項及び適用される規制要求事項を一貫して満たす医療機器及び関連するサービスを提供する能力を実証する必要がある場合の品質マネジメントシステムの要求事項について規定する。そのような組織は,医療機器の設計・開発,製造,保管及び流通,据付け,附帯サービス,並びに関連する活動(例 技術支援)の設計・開発及び提供を含む医療機器のライフサイクルの一つ以上の段階の活動に関わることができる。
さらに,この規格は,品質マネジメントシステムに関連するサービスを含み,製品をそのような医療機器組織に提供する供給者又は外部パーティも使用することができる。
この規格の要求事項は,その組織の規模を問わず適用でき,また,明確に規定している場合を除き,その組織の形態を問わず適用できる。要求事項が医療機器に適用するとしている場合でも,その要求事項は,組織が提供する関連するサービスに対して同様に適用される。
この規格が要求するプロセスで,その組織に適用できるが,組織が実行していないプロセスについては,その組織に責任があり,それらのプロセスは,監視,維持及びプロセス管理によって組織の品質マネジメントシステム内で明らかにする必要がある。
適用される規制要求事項が設計・開発の管理を除外してよいとしている場合には,品質マネジメントシ ステムからそれらを除外することを正当化するために使用することができる。そのような規制要求事項は,品質マネジメントシステムで対応する別のアプローチを規定していることもある。設計・開発の管理を除外している場合,この規格への適合宣言の中にそのことを確実に反映させることは,組織の責任である。組織で実行する活動又はその品質マネジメントシステムを適用する医療機器の性質のため,この規格の
箇条 6~箇条 8 の要求事項のいずれかが適用できない場合,組織は自己の品質マネジメントシステムに,それらの要求事項を含める必要はない。適用できないと判断する全ての箇条について,組織は 4.2.2 に規定しているようにその正当化の理由を記録する。
注記 1 2019 年 2 月 28 日まで JIS Q 13485:2005 を適用することができる。
注記 2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 13485:2016,Medical devices-Quality management systems-Requirements for regulatory purposes(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,“一致している”ことを示す。
(1)適用範囲
ISO13485の取得を目指される企業様は、すでにISO9001を取得されている企業様がほとんどではないでし
ょうか?このISO13485という規格はISO9001と違い,医療機器-品質マネジメントシステム-規制目的の
ための要求事項を規定したセクター規格です。一つ上げれば、ISO9001は、多くの製造物に対しISO13485
は、医療機器に関する製造、サービスがその適用範囲になります。もう少し詳しく簡単に書きますと
①場所→ 医療機器の製造をする施設の所在地
②施設→ 製造する施設,エリア,ライン
③機械設備→ 医療機器の製造に使用する機械設備
④工具器具備品→医療機器の製造で使用する工具器具備品
⑤校正機器,測定機器→医療機器の製造で使用する校正機器,測定機器
⑥人→医療機器の製造に従事する人
適用範囲においては、ISO9001に規定した適用範囲と識別した品質マニジメントシステムを構築する必要がありますのでその識別は、大変重要です。よって構築の最初は、ここを確定させる必要があります。ここを確定させないと、これからのすべての品質マネジメントシステムは構築できません。
(2)品質マニュアル以外の品質マネジメントシステムで必要な文書(手順等)を揃えて作成して下さいとのことです。よく話題に出てくるのが、品質マニュアルは、薄いほうが良いとか、簡単なほうが良いとか、よって手順書も少ないほうが良いとか、ネットで書いていたり、コンサルタントが営業で話をされたりする方が多いのですが、私は品質マネジメントシステムの運用に関する人が理解できたらどんな品質マニュアルでも良いと思いますが、薄い、簡単な品質マニュアルだったら、マネジメントが理解できるほど内容が充実していないのではと思います。よって薄くもなく厚くもない、皆様が品質マネジメントの運用で理解できるものを作成されることが大事です。
(3)プロセス間の相互関係に関する記述
よくこの記述で採用されるのが、”品質保証体系図”と言われているものです。
これにはプロセス間の相互関係が明確に表示することができます。
(4)品質マニュアルには,品質マネジメントシステムで使用している文書体系の概要を記載する
第1階層、第2階層、第3階層、第4階層などを使い、皆さんご存じのピラミッドで表わされる三角の
表です。
①第1階層 品質マニュアル(品質方針を含む)
②第2階層 品質管理規定(主にISO13485が要求している手順)
③第3階層 品質マネジメントシステムを運用するための具体的手順
④第4階層 品質マネジメントシステムを運用するための証拠などの記録を取りるための
記録様式です。
2 引用規格
ISO13485:2016 医療機器-品質マネジメントシステム
-規制目的のための要求事項
JIS Q 13485; 2018 医療機器-品質マネジメントシステム
-規制目的のための要求事項
ISO9001:2015 品質マネジメントシシテム
JIS Q 9001;2015 品質マネジメントシシテム
ISO9000;2015 品質マネジメントシシテム-基本及び用語
JIS Q9000:2015 品質マネジメントシシテム-基本及び用語
(9)3 用語及び定義
(10)下記については、省略します。下記のISO13485品質マニュアルのサンプルをみて下さい。
ISO13485品質マニュアルの閲覧(サンプル)
そこで、弊社のISO13485品質マニュアルの雛型をどのように見せられるかを考えて、下記の”クリック”を押して頂ければ、ご覧出来るようにしました。
是非、ご覧頂ければ幸いです。
ISO13485品質マニュアルのサンプルはこちらをクリックして下さい。
ISO13485品質管理規定のサンプルはこちらをクリックしてご覧下さい。
ISO13485記録様式のサンプルはこちらをクリックしてしてご覧ください。
ISO13485品質マニュアルの主なテーマ
ソフトウェアのバリデーション及び再バリデーション
医療機器ファイル
品質マネジメントシステムの改善の機会の評価
規制当局への報告
規制要求事項
ISO 14644 規格群及び JIS B 9918 規格群
6.4.2 汚染管理
滅菌医療機器
製品の組立又は包装プロセス
清浄性
リスクマネジメント
ユーザトレーニング
IEC 62366-1
サンプルサイズの根拠となる統計的手法を検証計画に含める
プロセスパラメータ
ラベリング
バッチ
滅菌
非滅菌
清浄化プロセス
滅菌プロセスパラメータ
滅菌及び無菌バリアシステムのプロセス
医療機器に機器固有識別(UDI)
JIS Q 19011